「ふたつの丸がくっついて、ハートは生まれたんだよ」
私は未だに信じている。子供の頃、おじいちゃんから教えてもらったハートの話を。
ようこそ ちいさなアトリエカーロカーラへ。
私は店長のモエギ。
冬の優しい日差しが、アトリエに注がれて
今日もおだやかな時間が流れています。
アトリエのカフェテーブルには、アサギが絵を描いています。
珈琲をたてた私はアサギは向かい合わせに座り、窓の外を眺めていました。
「アイビーの葉っぱって、ときどきハートの形をしてるよね」
カフェテーブルに飾ってあったアイビーをつんつんと人差し指で
触れながら、アサギが言いました。
「ねぇ、ハートってどうしてそんな形か知ってる?」
首をぶんぶんと横に振るアサギ。
「どーしてなの?教えて♪」
頬杖をつき、アサギがにっこりと笑います。
これは子供の頃、おじいちゃんから聞いたお話。
ある日、ふたつの「まる」が出会いました。
「まる」はたくさんの会話をして、お出かけをして、
手をつなぎ、肩を寄せ合い、抱きしめた。
それぞれの「まる」は、与え合い、支えあう。
持っていた「色」は混ざり合った。
色たちがまざるとき、たくさんの道ができた。
その道を、時には迷いながら、探しながら、歩いていく。
道は複雑に絡み合い、迷路のようだったけど、そこにはいつも小さな花が咲いたんだ。
やがて、道はつながり、ふたつの「まる」がくっつくと、この世に新しい形が生まれた。
その形を人々は「ハート」と呼んだんだよ。
その話を聞きながら、アサギはスケッチブックに絵を描きました。
「そのハート、こんな感じかな?」
持ち上げて見せてくれたスケッチブックには
鍵穴のような模様が入ったハートが描かれていました。

「うん。きっとそんなハートね」
なんだかうれしくなって、私は微笑みます。
「誰かを思いやる気持ちってつながって行くんだね」
アサギがスケッチブックからひょいと顔をのぞかせて言いました。
「それをハートって呼ぶのかもしれないね」
私はそんなアサギとアサギの描いた鍵穴みたいなハートを見つめて
答えました。
大切な人を思いやる気持ち二人が出会い新しいハートが生まれたとき
あなたが「ありがとう」を伝えたいのは誰ですか?
あなたが手に入れた幸せを支え、拍手を送ってくれる人達へ届けたいハートがあります。
私はアサギが描いたこのハートを招待状、席次表、
大切な人達へ届けたい想いをハートのペーパーアイテムに載せて下
きっと伝わるはず。



